落屑症候群と白内障手術
今週は白内障手術18件
無事に終わりました。最近忙しくてブログが更新できませんでした。
無理ない範囲で更新していこうと思います。
落屑症候群と白内障手術
以前ブログで落屑症候群について書いたところ、よく検査されるせいか、問い合わせが時々あります。
大まかにいうと
・落屑緑内障が怖い
・落屑で目の中がいっぱいになってしまうのでは?
・落屑症候群があるから白内障手術が難しいといわれて怖い
という内容が多いです。眼科医は診察用顕微鏡で患者さんの目を見れるので、病状を詳しく把握できるのですが、実際に診察を受ける患者さんは自分の目を診察できません。そのため、「落屑」という得体のしれないものに恐怖を抱くようです。
落屑緑内障が怖い・・・一般の緑内障よりも進行が速いことがあります。また、眼圧が毎回変動することがあります。落屑の程度や視神経の具合によるので、正確には診察をしないと何とも言えません。かかりつけ医とよく話し合うのが大事です。
落屑で目が一杯にはなりません。なったら大変ですが。実際には眼の中の水の流れに従って目の外に排出されるようです。
落屑症候群があって手術が難しい・・・落屑があると、水晶体の支えであるチン小体が弱いことがあります。あまりに弱いと手術が難しいことがあります。これも程度問題で、チン小体があまり弱くなっていないもの、とても弱くなっているものがあり、それぞれで対応が異なります。
上の写真は落屑症候群の方です。赤い矢印の先に白い落屑が少し見えます。この方は主治医に「白内障手術がとても難しい、手術を2度に分けて行うことがある」と説明を受けたようです。確かに落屑は少しあるのですが、そこまで不安にさせなくても良いのでは?という感じです。
上の写真2枚は別の方の写真です。こちら方のほうが落屑が多いです。右の写真は瞳孔のフチ全周が白くなっています。これで、さらに散瞳剤を付けても瞳孔があまり大きく開かないようであれば「手術が難しいかもしれませんよ」という説明をしたほうがいいと思います。
眼科医が「あたりまえ」と思っていることでも、患者さんからしてみればまったく意味が分からない・・なんてことはよくあります。落屑は特に分かりにくいと思うので、良く説明するようにしています。