オサートで角膜が濁った症例
2015.04.06
本日は白内障手術9件
翼状片手術2件
無事に終わりました。
オサートで角膜が濁った症例
当院はオルソケラトロジーを行っています。オルソケラトロジーとは、夜間コンタクトレンズを装用することで角膜を平らにして近視を矯正するという治療です。
角膜は上皮(50μm)と実質(約500μm)とう層があります。上皮は再生する組織なのであまり問題になりませんが、実質に障害が生じた時は角膜混濁(角膜がにごってしまう)となってしまうことがあります。
オルソケラトロジーは、矯正する近視の程度が少ない(-4D以下)程度であれば、上皮が薄くなるだけですが、あまりに強度の近視を矯正すると実質も薄くしなければなりません。そのとき、使用方法によって角膜混濁が生じてしまうことがあります。
先日受診した18歳の男性 東京の眼科でオサートというオルソケラトロジーを処方されて使用していたようです。なんど-10Dという強度の近視を矯正していました。視力低下を主訴に当院受診。診察してみると角膜の中央に濁りがありました(赤矢印の先)。
矯正視力(メガネをかけた視力)は0.7でした。今後少しは良くなると思いますが、完全に視力がもとに戻ることはないと思います。まだまだ若いのに残念です。
このオサートというオルソケラトロジーは以前テレビで紹介されたこともあって広く知られるようになりましたが、あまりに強度の近視をオルソケラトロジーで矯正しようとするのは無理があるのではないかと思います。