白内障になると、自分で気づかないうちに鮮やかさが減ります
2013.12.03 白内障
今日は白内障手術を8件行いました。
すべて無事に終わりました。
白内障になると、自分で気づかないうちに鮮やかさが減ります
白内障手術をすると、よく言われるのが「色が鮮やかになった」ということです。白内障は「白」という文字が入っていますが、実際に水晶体は黄色く色がついてきています。そうすると、色眼鏡を付けて物をみているようになります。
上の図は、2歳(2YR)と74歳(74YR)の水晶体がどれだけ光を通すのかを示したものです。この図を見ると、400から500nmという波長の光が通りにくくなっているのが分かります。この波長は青色に相当するので、青色が見づらくなって鮮やかさが減っているのだとわかります。
この青色は、最近悪者扱いされておりまして、「加齢黄斑変性症」の原因としても考えられています。青色光は網膜に対して悪い影響があるようなのです。特にLED照明に多く含まれていて、不眠の原因にもなっているようです。
それを考えると、加齢で白内障になって青色の光が目に入らなくなってくるのは、一種の生体防御なのかな?と思ったりもします。
最近発売されている、ブルーライトを遮断するメガネは、この波長の光を遮ります。いろんな種類のメガネがあるようですが、どのように見えるのかが気になります。
当院で使用する眼内レンズも、青色光をある程度遮断するような素材でできています。加齢黄斑変性になりにくくするのもありますが、青色の光が目に入りすぎると「眩しく」感じやすいようなので、これを和らげる効果もあります。