目の中にはいろいろなものが入る②
2013.04.16
今日は白内障手術7件
霰粒腫切除術1件
すべて無事に終わりました。
ようやくスギ花粉が終わりに近づいています。気象庁の予報でも、花粉の量が「とても多い」から「やや多い」になりました。しかし、ヒノキにも反応する私にとってはまだまだ折り返し地点。辛い日々は続きます。
目の中にはいろいろなものが入る②
前回異物について書いたので、その続きです。
やはり、一番多いのは角膜鉄片です。ハンマーで金属を叩くと、小さな破片が飛び散るようです。入り方は主に2つのパターンがあります。
一つは、角膜にめり込むタイプ
人によってはとても痛いので、異物が入ってからすぐに来院する場合もあります。しかし、時にはあまり痛くないこともあるようで、入ってから数日して「ゴロゴロする」と言って来られる方もいらっしゃいます。
通常、異物には細菌が付着しているので、異物が原因で細菌性角膜炎になることがあります。ただし、植物(もしくは、植物の種)が目に入るよりも、鉄片が目に入るほうが細菌性角膜炎になる確率は低い感じがします。鉄は角膜に刺さったあと酸化するので、周囲が酸性になって殺菌作用が働くようです。ですから、鉄片異物を取る前よりも後の方が細菌性角膜炎になりやすいようです(だからといって異物を取らなくて良いわけではありません)。
もう一つは、上まぶたの裏にくっつくタイプ これはとても痛いので、すぐに来院します。 この異物のせいで、角膜の表面がかなり傷んでいます。角膜はとても敏感ですから痛いのです。異物をとると患者さんは何事もなかったかのようになります。 同じように、上瞼の裏に入りやすいのは洗顔料のスクラブです。滅多なことでスクラブは瞼の裏に入りませんが、1~2年に1人くらい、スクラブの異物を見かけます。一般的なスクラブは米ぬかから作られているので、診察するとビーズみたいな丸っこい物が見えます。大きさは上の写真の鉄片と同じくらいだと思います。中高生が朝9時に異物で来院すると、これが疑わしいですね。洗顔料を持ってきてもらうと解決できることがあります。 他にも、火山灰由来のスクラブ異物もあるようです。泥石鹸は今でも良くありますが、その一連で火山灰入りの洗顔料がある(あった?)ようです。下は、実際に販売されていた洗顔料のスクラブの顕微鏡写真です。 こんなに尖ったものが目に入ったら本当に危ない、というか痛そうです。消費者庁のHPで注意勧告がされていました。実際には見たことありませんが。一時宮崎に住んで、新燃岳の火山灰を浴びる生活をした私にとって、お金をだして火山灰を買って顔に塗る気がしれません。ああ痛そう。