白内障手術で一番怖い合併症:術後感染症
2013.02.07 白内障
今回角膜の形を計測する新しい器械が入りました。オルソケラトロジーという新しいコンタクトレンズを処方するときに使用します。オルソケラトロジーは角膜の形を変えることで近視をなおすコンタクトレンズです。今回の器械は角膜の形の変化を調べるソフトがついているので、オルソケラトロジーでどれだけ近視が減らせたかが分かります。
そのソフトを用いて、今度白内障術前後の角膜の形の変化を調べてみたいなと思います。
白内障手術で一番怖い合併症:術後感染症
今回は白内障手術の合併症について説明したいと思います。 白内障手術は、過去数十年でとても進歩した手術の一つだと思います。手術に必要な傷の大きさも、昔は6ミリ以上開けていたものが現在3ミリよりも少ない傷で済むようになりました。その分、安全性もかなり高くなりましたが、ゼロではありません。今回は、白内障手術の合併症のうちで、一番やっかいな感染症について説明したいと思います。 人体の中で全く細菌がいない場所がいくつかあります。骨の中や、脳などは、細菌がひとつもいないような仕組みになっています。逆に、そういう場所に対する手術などで細菌が入り込んでしまうと厄介なことになってしまいます。 細菌を退治するのは、血液中の白血球なので、血流が豊かな場所は比較的細菌に強いです。しかし、目の中は透明であることが必要な部分が多く、そのような場所には血管が存在していないので、どうしても細菌に対して弱くなってしまいます。 白内障手術のあとに目の中に細菌が入り込んで暴れる可能性は大体4000人に一人くらいだと言われています。これは、海外の報告と比較すると少ないのです。おそらく、日本の医療機関がしっかりとした手術をしているということなのだと思います。 当院でも、細菌感染を防ぐための工夫を(やや神経質と思われるくらい)沢山しています。また、患者さんに対して感染防止の指導を行ったり、スタッフに対して感染防止の指導を行ったりもしています。細菌は目に見えないので、どんなに対策をしてもやりすぎということは無いと思います。当院で手術を受けた患者さんがみんな幸せになれるように頑張りたいと思います。