乱視について
2012.12.06 白内障
最近空気が乾燥してきたせいか、ドライアイの患者さんが激増しています。
特に若い方は点眼薬を指定して希望してきます。試してガッテンの影響もまだありますね。
新薬の使用経験は私もまだ多くないので、患者さんのお話に興味深々です。
乱視について
いつも外来をしていて思うのですが、乱視という概念は患者さんにとても分かりにくいと思います。また、乱視の程度も患者さんにはなかなか伝わりにくく、「私って乱視が強いと言われたことがあります」という方の乱視がとても少なかったりすることもありました。
乱視は大きく分けて2種類あります。メガネで治せる「正乱視」、メガネで直せない「不正乱視」です。
不正乱視は、怪我や翼状片などのせいで、目の表面がつるつるで無くなった時に生じます。
こんな風に目の表面がボコボコしていると、外からの光が目の中にうまく入らずにぼやけてしまいます。このタイプの乱視はメガネをつけても視力を上げることはできません。
一方で、正乱視は眼鏡で矯正できる乱視のことをいいます。
一般的に眼球はまん丸に見えますが・・・
厳密にはこんな感じで歪んでいる場合があります。
横長だったり縦長だったりします。
ピントの合う位置(焦点)は、目のカーブが強いほど近くなります。そのため、下の図で、青い線で切った部分ではピントが近く、赤い線で切った部分ではピントが遠くなります。そうすると、通常のレンズでは青と赤のどちらかしか矯正することができません。
この乱視を治すためのレンズを円柱レンズといいます。これで青い線のピントだけを遠くすることができるようになります。
視力検査ではこのようなレンズを使って乱視を矯正します。レンズに線がついているのは、円柱レンズの向きです。
ごく最近までは、白内障で使う眼内レンズは円柱レンズがありませんでした。そのため、手術後は眼鏡を用いて乱視を矯正しなくてはなりませんでした。せっかく遠くにピントを合わせて、メガネなしで運転できるようになるかと思いきや、この乱視のせいで裸眼視力(メガネなしの視力)が出にくいこともしばしばあります。
そのため、当院では乱視の強い方には、乱視用のレンズをしようしています。この眼内レンズには円柱レンズが組み込まれているので、乱視を減らすことができます。
乱視用眼内レンズの話は次回します。
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