糖尿病で目に生じる変化
本日は白内障手術12件行いました。瞳孔が小さい人もいましたが、特に問題なく手術ができました。
糖尿病で目に生じる変化
糖尿病は全身の血管にダメージを与える病気ですが、当然目の中の血管にも影響してきます。
自分で目の中を見ることはできないので、目の中がどのようになっているか知らない人も多いのではないでしょうか?
まずは以前他院でフォローされていて、当院に来院された末期の糖尿病網膜症方の眼底写真です。視力は0.02です。
次に、20代の正常な眼底写真です。
パッと見て全然違うと思うのですが、解説していきたいと思います。
矢印の部分は視神経乳頭というのですが、正常では肌色をしています。
神経がダメージを受けるとだんだん白くなっていきます。糖尿病の方は真っ白ですね。相当視神経が傷んでいるのだと思います。
網膜は血液で栄養されています。太い血管の方が静脈で、細いほうが動脈(矢印の先)です。正常では、静脈と動脈の太さの比率は3:2程度です。
糖尿病の方の動脈はとっても細いですね・・・一部は写真で確認しづらいくらいです。
網膜のなかで黄斑と呼ばれる部分があります。正常ではこの矢印の場所です。網膜の中でも一番大事な部分で、ここがやられると急激に視力が落ちます。
糖尿病の方は黄斑の色が変になっています。こうなると視力はほとんど出ません。
病気というと「治療すると治る」イメージがあるかもしれませんが、糖尿病網膜症はそうではありません。
いつも火事に例えるのですが、医療でできることは「火を消すこと」だけです。焼けてしまった家を治すことはできないのです。