白内障手術と角膜の細胞(角膜内皮細胞)
2017.06.05 白内障
本日は白内障手術を12件行いました。
無事に終わりました。
白内障手術と角膜の細胞(角膜内皮細胞)
白内障手術の術前検査で必ず行うのが、この角膜内皮細胞検査というものです。
目にとってはとても重要な検査で、角膜を透明にする作用があります。
赤丸で囲った部分が角膜です。ここの裏側には細胞が隙間なく並んでいます。この部分を写真で撮影するとこのようになります。
上の写真は私の角膜内皮細胞です。左側に細胞がびっしり並んでいるのがわかります。1平方ミリあたり2400個の細胞があります。大体正常範囲内でしょうか。
先日手術したのが下の写真の方です。私の物と比較すると、細胞の大きさが少し大きくなっています。細胞の数が減ると、1個辺りの大きさが大きくなります。この方は1平方ミリあたり1500個で、私よりも大分少ない感じです。
これが500個を切ると視力が出なくなってきます。年齢によっても多少減っていくので、一生500個以上であるように気をつけなくてはなりません。白内障手術によって減ってしまうこともあるのですが、これは丁寧な手術を行う事で角膜内皮細胞が極力減らないようにしています。もともとの細胞が少ない人でも、正常なひとでもみんな内皮細胞に優しい手術を行っています。白内障がとても硬い人の場合、白内障を砕くのに大きなエネルギーが必要になります。その場合、内皮細胞がダメージを受けないように細心の注意が必要になります。
今回写真で出した人は術前から細胞が少なめでしたが、手術後も細胞数が殆ど変っていませんでした。