乱視も矯正できる多焦点眼内レンズによる白内障手術
2015.02.16 白内障
本日は白内障手術11件 (乱視用レンズ5件、入院2件)
すべて無事に終わりました。
乱視も矯正できる多焦点眼内レンズによる白内障手術
以前多焦点眼内レンズによる白内障手術について説明しました。
メガネの依存度が減る、というメリットがある一方で、適応を間違えて使用してしまうと患者さんの満足度が少なくなってしまうという特徴があります。
特に、乱視があると裸眼視力が出にくくなるのですが、白内障の手術を受ける人の3人に1人以上は乱視を矯正しないと視力が出にくい目をしています。以前までは乱視用多焦点眼内レンズがなかったため、乱視が強い方は多焦点眼内レンズの適応にはならなかったのですが、最近になって乱視も矯正できるタイプが出ました。
当院で使用したのは60代の方です。矯正視力は0.5でした。
こんな白内障です。反対目はすでに白内障手術済みなのですが、遠くにピントがあうタイプの単焦点眼内レンズが入っていました。本人の強い希望もあり、今回多焦点眼内レンズを使用する事になりました。
術前検査を行ったところ、角膜乱視が1.5Dあることが分かりました。1D以上の乱視は裸眼視力に影響します。そのため、乱視用のレンズを使用する事にしました。
手術前の矯正視力は0.5でした。
手術後の写真なのですが、眼内レンズが眼の中にはいっています。乱視の角度を示すマーカー(赤丸)がついているのが分かるでしょうか?ちなみに、緑の矢印の先で光っているのが多焦点レンズの表面の反射です。
手術後の乱視の度数は0.25Dととても少なくなりました。手術後1週間での裸眼視力は遠方で1.2、近方で1.0ととても良好でした。患者さんもとても喜んでいました。スーパーで買い物をしたときの値札が良く見えるようです。
この多焦点レンズは合う人(近方や遠方の裸眼視力が上がりやすそうな人、上がりにくそうな人)、満足してくれる人と、そうでない人がいます。そのあたりをしっかり見極めて使用すれば良いレンズだなと思います。