プラケニル(ヒドロキシクロロキン)という薬について
2019.10.11 網膜
プラニケルは2015年7月から国内承認された、SLE治療薬です。
プラケニルを使用することで、使用するステロイド量が減る画期的な薬と言われています。
一方で、不可逆的な網膜症で視力が落ちることがある(1%未満)ので注意が必要です。
この薬を使用しているSLE患者、国内で約1万人使用されているため、今後プラケニルによる網膜症の患者さんが増えることが予想されます。
プラケニルの網膜症は蓄積使用量が問題。使用して5年程度から発症率があがるという報告があるようです。そのため、今までは網膜症の患者さんがいなかったのは当然で、今後増えると予想されています。
累積使用料200gを越えたら注意が必要。1000gを越えたらさらにハイリスクとのこと。300mg錠を1年飲むと217gに相当します。
網膜症が生じても、初期で止めたら大丈夫なので、早期発見が重要とのこと。
休薬して悪化がまったく止められるかどうかは分からない(特に重症例)
通常、視野2-6°のところに影響するので、10-2モードで視野を測る
アジア人では、もう少し外側(黄斑辺縁部)で発症することがあり、10-2モードで拾えない事がある。30-2で測らないといけないが、視野を2回やるのは大変なので、10-2モードのみで良いだろう。
通常1年毎の検査、ハイリスク群は半年毎にみる
ガイドラインで必要としている検査は視力、細隙灯、眼圧、眼底、OCT、視野、色覚、オプションとして多局所ERG,自発蛍光
ERGと自発蛍光は感度が高い。色覚は感度が低いが、ガイドライン上はやらないといけないとの事。