ドライアイを引き起こす病気(シェーグレン症候群)
2015.03.17 ドライアイ
昨日は白内障手術10件(多焦点眼内レンズ1件、乱視用レンズ1件)
霰粒腫切除術1件
無事に終わりました。花粉症がひどすぎて更新が遅れてしまいました。院内は空気清浄機が働いているので楽なのですが、外に出た途端鼻症状が強く出てしました。手術室の空気は綺麗なのでやはり鼻症状は出ませんでした。早く花粉の時期が終わってほしいものです。
ドライアイを引き起こす病気(シェーグレン症候群)
外来診療をしているとドライアイの方は多く来院されるのですが、その中でもドライアイが重症の方がいらっしゃいます。ドライアイの方には、フルオレセインという色素で目の表面を染色します。
フルオレセインを付けた後に青い光を当てて診察するのですが、通常角膜表面はこの色素で染色されません。しかし、ドライアイの方は角膜表面に細かい傷ができているため、この色素で染色されます(上の写真の赤丸)。点々で染色されるため、点状表層角膜症と言われています。
この点々の傷が多くてドライアイが重症だと感じた場合、涙が十分に出ているかどうかを検査します。シルマー試験紙という、メモリのついたろ紙を目につけて5分間まぶたを閉じます。ろ紙に涙がしみこんでくるので、その数値を読み取ります。
通常は10ミリ以上涙が染みてきますが、この方は全くろ紙に涙がしみてきませんでした。とても重症なドライアイだという事が分かります。そういった場合、口の中が乾かないかを聞きます。なぜなら、「シェーグレン症候群」の可能性があるからです。シェーグレン症候群かどうかは、血液検査を行います。
この方は、シェーグレンの抗体値が高くなっています。涙液分泌の低下があって、血液検査で陽性が出るとシェーグレン症候群であると診断できます。シェーグレン症候群は自己免疫疾患のひとつで、唾液腺と涙腺が免疫の異常で破壊されてしまう病気です。ドライアイの治療とともに、口腔乾燥の治療が必要なこともあります。ドライアイも重症であることが多く、点眼治療とともに、涙点プラグなどの処置が必要になることもしばしばあります。