アレルギーがとても強く出る人
2016.07.04 涙器
本日は白内障手術12件
翼状片手術1件
眼窩脂肪ヘルニア手術2件
無事に終わりました。
アレルギーがとても強く出る人
アレルギーというと免疫が異常に強く出た状態のことなので、通常血液検査などで抗体の強さを判別します。一方で、眼科のアレルギー性結膜炎は、この血液検査があてにならないことが良くあります。
アレルギー性結膜炎の発症に強くかかわっているのが「涙」です。涙は目の表面を掃除する機能を持っているので、涙の生産量が落ちるとアレルギー性結膜炎が強く生じやすくなってしまいます。
これは60歳の女性のかたですが、とても痒いという主訴で来院されました。たしかに、眼瞼結膜(上の写真の矢印)がとても充血しています。
目の表面を診察してもキズ(点状表層角膜症)がすくないので、ドライアイが大したものないかと思いきや
シルマーテストをすると、ろ紙にあまり涙がしみてきません。結構強いドライアイがあることがわかりました。
このような場合は、アレルギー点眼だけでなく、ドライアイの治療も併用することになります。
流涙症に対する治療(鼻涙管狭窄症に対するシリコンチューブ挿入術)
2014.08.18 涙器
本日から、当院のスタッフに新しい看護師が加わりました。
当院では外来中にレーザー、処置などを行っているのでそれらを介助する看護師の役割はとても大きいです。とても頑張り屋さんなので、今後は当院の貴重な戦力になることでしょう。
今日は白内障手術を10件行いました。
お盆明けでしたが、気分を入れ替えてしっかり頑張りました。
流涙症に対する治療(鼻涙管狭窄症に対するシリコンチューブ挿入術)
涙の診療はとても難しいことがあります。診察で目がとても乾く人でも「涙がうるうるする」と訴える場合があり、点眼薬をだしても「なぜ涙でうるうるするのに点眼で余計にうるうるさせなくてはならないのか」と言われたりもします。
しかし、実際に涙が溢れて困る人もいらっしゃいます。
これはフルオレセインという染色液で涙を染めたものです。目と下まぶたとの隙間に涙が沢山たまっていることが分かります。
こういった場合、涙の出口が詰まっていることを疑って、水を通します。実際にこの方に水を通したら、通りにくくなっていました。そういった場合、涙の通り道が細くなっていることが考えられます。涙の通り道にシリコン製のチューブを留置します。完全に閉塞しているわけでは無かったので、一瞬で入ってしまいました。これをしばらく入れっぱなしにすることで、涙の通り道を広げようというものです。
2か月ほど入れたのち、チューブを抜去します。この方がチューブを抜去するのはまだ先の話ですが、うるうるが無くなると良いですね。
これが留置したチューブです。実際には外からは殆ど見えません。
流涙症(なみだが溢れる病気)結膜弛緩症
先週と今週で
白内障手術 19件 (うち、乱視用レンズ 7件)
硝子体手術 6件
緑内障手術 1件(エクスプレスシャント)
眼瞼下垂症手術 2件
翼状片手術 1件
無事に終わりました。
流涙症(なみだが溢れる病気)結膜弛緩症
涙そのものが増えたり減ったりしなくても、目の形が変化することで涙が出やすくなることがあります。
目の表面に出た涙は、下まぶたと目の隙間に貯まります。(上図)この隙間が無くなってしまうと、涙が目からあふれやすくなってしまいます。
白目の表面には、「結膜」というぶよぶよした膜が張っているのですが、年齢とともにこの膜が緩んでしまいます。そうすると、余った結膜が下まぶたと目の隙間にはまり込んで、本来涙がたまるスペースを占拠してしまい、涙があふれることになってしまいます。これを結膜弛緩症と言います。
青い光で診察した写真なので少しわかりにくいですが、上の写真が結膜弛緩症の写真です。
結膜弛緩症になると、涙があふれやすくなるだけではなく、出血しやすくなります。これを結膜下出血といいます。
上の写真が結膜下出血の写真です。結膜弛緩症の方は、これを年に何回も繰り返すことがあります。
結膜弛緩症を治す手術はごく短時間(5分位)で行うことができます。結膜のシワをのばして、縫合して強膜固定します。シワを目の奥の方に追いやることで、結膜弛緩症を治します。
上の図の緑の部分で強膜と縫合します。
この手術で流涙症が改善する方もいらっしゃいますが、確実に治るというわけではありません。流涙にはいろいろな要素が複雑に絡まっていることが多いので、結膜弛緩症以外に流涙の原因がある方は、治りにくいこともあります。
流涙症(なみだが溢れる病気)その2 涙道閉塞症
2013.10.07 涙器
本日は
白内障手術を10件(乱視用レンズ2件)を行いました。
みなさん無事に手術を終えました。
流涙症(なみだが溢れる病気)その2 涙道閉塞症
今回は、涙の出口が詰まる話です。涙の出口が詰まると、1日中涙が出てしまいます。
目の表面にある涙は、上まぶたと下まぶたにある涙点から、涙小管、涙嚢(るいのう)、鼻涙管(びるいかん)を通って、鼻に通じています。この途中が詰まってしまうと、涙が鼻に抜けなくなり、流涙症の原因になります。
涙の通り道が詰まっているかどうかは、涙洗針を用います。「針」という名前はついていますが、実際には先はとがっていません。
上の写真が涙洗針です。右側にシリンジを付けます。涙洗針の先を涙点に差し込んで、鼻に水が通れば開通しているということになります。しかし、これで通らないとなると、今度はどの部分が詰まっているかを調べなくてはなりません。
上の写真は、「ブジー」といって、色んな太さの針金です。これを涙点から挿入することで、どこで詰まっているのかがわかります。また、詰まり具合にもよるのですが、場合によっては詰りが開通することがあります。もし開通した場合、徐々に太いブジーを挿入して、涙道を拡張していきます。
開通したままにしておくと、高い確率で閉塞するので、シリコン製のチューブを挿入します。チューブの片方を上涙点から、もう片方を下涙点から挿入します。
これはチューブが入った写真です。2-3か月は挿入したままにして、それからチューブを抜去します。チューブを抜いたあとでも閉塞しないことも多いのですが、残念ながら際閉塞することもあります。そのような場合では、手術による治療を行うこともあります。
涙がでてくる病気1(ドライアイによる流涙)
2013.10.01 涙器
今日は
白内障手術10件(乱視用レンズ1件)
翼状片手術1件を行いました。
皆さん無事に手術を終えました。
涙がでてくる病気1(ドライアイによる流涙)
眼科を受診する方の中で、涙の訴えをされる方はとても多いです。テレビを見ていて、悲しくないのに涙がでる、冷たい風があたって涙がでる、ということは良く聞きます。
同じ涙がでるといっても、いくつかの原因があり、それぞれに治療方法が異なります。今回は、その流涙症についてお話をしたいと思います。
上の赤矢印は涙腺ですが、涙はここで作られます。涙には、基礎分泌(常に一定量分泌される)と、反射性分泌(刺激で出る涙)の2種類があります。基礎分泌は年齢とともに減少することが分かっています。
涙は粘液、水、油の3つの層からできていますが、油や粘液も水と同じく年齢とともに減少していきます。油が減少すると涙は蒸発しやすくなり、粘液が減ると涙をはじくようになります。
油や粘液が減少した方は、目を開けて2-3秒で目が乾き始めます。
目の表面が乾くと、それが刺激になって反射性の涙が大量に出てきます。反射性に出た涙があふれることで「涙が出る」と自覚されるわけです。そういった方は、診察をすると良くわかります。「涙が出る」という割には眼の表面に涙がすくなく、目をしばらく開けてもらうとすぐに表面が乾いてきます。
油を補充するために軟膏を処方することもありますが、べたべたして使用感が悪いことから寝る前くらいしか使うことができません。一方、粘液成分を増やす点眼(ジクアスやムコスタ)は数年前から発売され、効果をあげています。
ドライアイ点眼の記事
涙がでる患者さんに、「実は目が乾いているんですよ」と説明すると、驚く方もいらっしゃいますが、写真で説明すると大体納得していただけます。
涙がでる病気はまだまだありますので、次週も続けて話したいと思います。