もりや眼科

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なかなか治らない目やにの治療(温罨法)

2014.06.23

今日は白内障手術8件
眼瞼腫瘍切除術1件を行いました。
先週当院の2周年記念の会を行いました。多くの人に支えられて眼科が成り立っているのだと実感しました。これからもよろしくお願いします。

なかなか治らない目やにの治療(温罨法)

 

眼科では点眼薬で治療することが多いのですが、点眼薬が効かないものも多くあります。そのうちのひとつが目やにです。結膜炎による目やには点眼で治るのですが、年中でるような目やには点眼薬ではなかなか治りません。

 

そういった目やにの原因は、主にマイボーム腺からでる分泌物だからです。分泌物なので点眼していても出続けてしまうわけです。ですから、「どの眼科に行ってもなかなか治らない」といって色んな眼科をめぐる人が時々いらっしゃいます。

 

この種の目やには意外と厄介で、朝方びっしり目やにが目の周りにこびりついていたり、こびりついた目やにのせいで目がかゆくなったりすることもあります。本来この分泌物は目をスムーズに動かす潤滑剤でもあるので、それがうまく分泌できないと「目がごろごろする」原因になったりもします。

 

図1

 

目のふちにはマイボーム腺の分泌口があります(黄色の矢印の先の白い部分)。そこが機能不全になると凹みます(青矢印)。

 

先ほどお話した通り、これは点眼薬では殆ど治りません。分泌物をしっかり落とすことが大事になります。しかし、結構しっかりこびりついていることも多く、簡単に取れないことも多いのです。分泌物は油が主成分ですから、温めると柔らかくなる、と言う性質があります。そのため、以前までは温めたおしぼりを目の上に載せてください、と指導していました。この温める治療のことを温罨法といいます。しかし、これがなかなかうまくいきません。おしぼりがすぐに冷めてしまうのです。

 

昔の眼科では目を温める器械が置いてありました。これはこの病気を治すための物なのですが、そんなにしょっちゅう眼科に来るのも現実的ではありません。

家庭で簡単に温罨法できる方法が、「アズキのちから」というものです。製品の宣伝になってしまうのですが、これが長時間目を温めるのに適しているのです。

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 実際に私も試してみましたが、結構長い時間目がほかほかになります。特に冬だと気持ちよさそうです。実際に実験した方によると、この製品は分泌物の排泄を促す作用が強かったようです。目やにで悩んでいる方は試してみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに、このような豆が入っているようです。食べられそうですが、食べないようにと書いてありました。

中身

 

アルカリが目に入ったら危険!

2014.02.17

本日は白内障手術を9件行いました。

皆さん無事に手術を終えました。

 

アルカリが目に入ったら危険!

 

眼科をやっていると、目に○○が入った!と言って駆け込んでくる患者さんを良く診ます。多いのは破れたソフトコンタクトが目に入った人でしょうか。赤ちゃんの指が入ったという人もいました。他にも、揚げ油、殺虫剤、洗剤、洗顔料のスクラブ、火山灰が入った患者さんを診たことがあります。

その中でも、特に重症になるのがアルカリ性の物質が目に入った時です。一般的なイメージでは、酸性の物質の方が危ないイメージかもしれません。しかし、酸性の物質は眼の表面しか障害しないのに対して、アルカリ性は眼の深くに浸透してダメージを与えるため、深刻な障害を与えることがおおいのです。

 

写真

先日経験した症例で、生コンクリートが目に入ってしまったという事で当院を受診しました。

 

フルオ写真 当日
 

結膜が充血しているだけのように見えますが、角膜を染色してみてみると下半分が染色されました。角膜上皮が障害されると染色されるようになるのです。

アルカリは角膜の組織深くに浸透しているので、来院してすぐに30分持続洗浄を行いました。本当は来院前にしっかり目を洗ってもらった方が治りが早いのですが、なかなか良く洗ってくれません。「とりあえず早く眼科に行かなきゃ!」という心理は分かるのですが・・

 

この方は、2日後には角膜の上皮が貼ってきて、もう一息で治りそうという感じでした。

フルオ写真 二日後

 

今回はアルカリが目を強く傷害していなかったのできちんと治りそうでしたが、実際には失明してしまう方もいます。アルカリを浴びた後で結膜が白っぽくなっている場合は要注意です。結膜の血管が障害されているという事です。

虚血になっている症例

このような場合は、角膜上皮を作る細胞も死滅していることが多く、角膜上皮が再生しません。そうすると、角膜表面に結膜が張り出してきて、角膜が濁ってしまいます。

 

角膜血管新生
 

目に良く入る強アルカリ性のものは、生石灰やコンクリートでしょうか。以前はグランドにひく白線の成分も強アルカリ性でしたが、子供に危ないということで現在では中性で安全なものを使用しているそうです。

 

目にできる腫瘍(類上皮種)

2014.02.10

本日は
白内障手術7件
翼状片手術1件を実施しました。
無事に終わりました。
今回は緊張の強い方が多かったので、いつもより多めに話をしながら手術を行いました。
少しでも安心してもらえると良いのですが。


目にできる腫瘍(類上皮種)

先日、若い女性が目にできものがあるという事で来院されました。
先日お話した涙丘と同じ部分に白いぽこっとしたものができているというのです。どうやら、生まれつきあったようですが、切除を希望されました。

類上皮種
この白っぽいものです。悪いものではなさそうですが、外から見える部分でもあったので、切除をしました。

術後
これが術後の写真です。白いのが無くなってすっきりしています。
正面からみるとまったくわからないくらいになっています。
術後正面

切除したものを病理検査(顕微鏡での検査)で「類上皮種」と診断されました。良性の腫瘍で、しかも完全に切除できたので安心です。

類上皮種というのは、本来皮膚になるはずの成分が結膜の中に存在することで発症します。キラキラした白色が真珠のように見えるので「真珠腫」とも言われています。しかし、この白い真珠のようなものは腫瘍ではなく、腫瘍が作り出した「垢」なのです。ですから、真珠みたいな白いものをを包み込んでいる被膜のようなものが、実は腫瘍の本体なのです。被膜をなるべく破らないように摘出します。
間違えて白い部分だけ摘出してしまうと、腫瘍を取ってないことになってしまいます。





 

花粉症の初期治療

2014.01.28

本日は
白内障手術8件
眼瞼内反症手術 1件
翼状片手術1件 
全て無事に終わりました。

いよいよ花粉症の時期ですね。栃木県あたりでは2月中旬ころに花粉が飛散するようです。
丁度バレンタインデー辺りの時期ですね。 私も花粉症(鼻炎ですが)を持っているので、この時期になるとうんざりします。
少しでも花粉症の症状を抑えたい方に対して、アレルギー性結膜炎(と鼻炎)の初期治療を行っております。
内服や点眼を早期に始めることで、アレルギーの発症時期を遅らせたり、重症度を減らすことができます。

花粉の初期治療
2週間前辺りから点眼や内服を開始した方が良いようなので、もうそろそろ開始時期ですね。
今年はアレルギー性結膜炎の新しい薬もでたので、希望の方には試してもらおうかと思っています。
当院では、院内のテレビで点眼や内服の紹介をしています。ご希望の薬がある方は言ってください。




流涙症(なみだが溢れる病気)結膜弛緩症

2013.10.21

先週と今週で
白内障手術 19件 (うち、乱視用レンズ 7件)
硝子体手術 6件
緑内障手術 1件(エクスプレスシャント)
眼瞼下垂症手術 2件
翼状片手術 1件
無事に終わりました。

流涙症(なみだが溢れる病気)結膜弛緩症

 

涙そのものが増えたり減ったりしなくても、目の形が変化することで涙が出やすくなることがあります。

ここに涙がたまる
目の表面に出た涙は、下まぶたと目の隙間に貯まります。(上図)この隙間が無くなってしまうと、涙が目からあふれやすくなってしまいます。

白目の表面には、「結膜」というぶよぶよした膜が張っているのですが、年齢とともにこの膜が緩んでしまいます。そうすると、余った結膜が下まぶたと目の隙間にはまり込んで、本来涙がたまるスペースを占拠してしまい、涙があふれることになってしまいます。これを結膜弛緩症と言います。


結膜弛緩症

青い光で診察した写真なので少しわかりにくいですが、上の写真が結膜弛緩症の写真です。

結膜弛緩症になると、涙があふれやすくなるだけではなく、出血しやすくなります。これを結膜下出血といいます。

上の写真が結膜下出血の写真です。結膜弛緩症の方は、これを年に何回も繰り返すことがあります。

結膜弛緩症を治す手術はごく短時間(5分位)で行うことができます。結膜のシワをのばして、縫合して強膜固定します。シワを目の奥の方に追いやることで、結膜弛緩症を治します。

上の図の緑の部分で強膜と縫合します。

カレーシス手術

この手術で流涙症が改善する方もいらっしゃいますが、確実に治るというわけではありません。流涙にはいろいろな要素が複雑に絡まっていることが多いので、結膜弛緩症以外に流涙の原因がある方は、治りにくいこともあります。

 

 

カレーシス 結膜下出血

 

 

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