網膜色素変性症と拡大読書器
今回は白内障手術を14件行いました(うち入院2件、乱視用レンズ2件)
無事に手術を終えました。
網膜色素変性症と拡大読書器
網膜色素変性症は難病指定されている病気なのですが、現在特に有効な治療がありません。
人によってはかなり見えにくくなります。視野が狭くなったり、暗いところでは殆どみえなかったりします。
網膜色素変性症の方の眼底写真ですが、周辺部で網膜の色が灰色になってきています。
上の写真は健康な人の眼底写真ですが、比較すると色調の違いが分かりやすいと思います。
当院で診ている人の中で、網膜色素変性症の方が「見づらくて文字が書けなくなった」と言いました。そのため、拡大読書器を試してみることにしました。
拡大読書器はいくつか種類があります。大まかにはハンディタイプと据え置き型があります。
文字を読むのにはどちらも良いと思うのですが、書くとなるとハンディタイプはうまくいかないようです。
片手で拡大読書器を持ちながら、もう片手で物を書くことは難しいということでした。据え置き型なら両手が自由になるのですが、一方で画面を見ながら物を書くのは少し慣れが要るようです。
うまく慣れて生活の質が保てればと思います。
目のまわりについたメヤニ
2016.04.11 もりや眼科
本日は白内障手術13件(うち入院2件)
無事に終わりました。
目のまわりについたメヤニ
外来に来院される方のうち、目やにを主訴にする方は結構多くいらっしゃいます。
目やにの原因は色々あるのですが、最も多いと思われるのがマイボーム腺からの分泌物です。
マイボーム腺からは脂が分泌されていて、目が乾かないようにしているのですが、年齢とともにベヤベタしたものに変化していきます。
その分泌物が目の周りに残ると目やにになります。目やには一旦乾くとぺったりはりついて取れにくくなります。
赤丸の中の睫毛が目やにのせいでひとまとまりになっています。こうなってしまうと、洗わないとなかなか取れません。しかし、基本的に脂が主成分なのでお湯だけだと若干落ちにくいことがあります。ただ、洗顔料やボディーソープは基本的に目に入らない前提で作られているので、一般的には目にはいるとしみるようです。
そういった場合、赤ちゃん用のボディーソープがお勧めです。これは目に入ってもしみにくく出来ています。なかなか洗いにくい場所ですが、これを使うとうまくきれいに出来ます。
糖尿病網膜症治療の難しいところ
今回は白内障手術を12件
無事に終わりました。
糖尿病網膜症治療の難しいところ
患者さんの性格によっては、糖尿病の治療はとても難しいことがあります。「生活習慣病」と言われているだけあって、生活習慣が治らない事にはどうにもなりません。場合によっては患者さんが受診をさぼることもあります。糖尿病になったばかりの場合、今現在視力が下がっているのでもないし、全く不自由しないので治療に熱心になりにくいです。
最近来院した患者さんもそのような方の一人でした。60代の女性なのですが、とても明るい方で外来でも良くお話をされます。もともとは白内障があって昨年3月に来院されました。矯正視力は0.7前後なので若干不自由していたと思います。60代で白内障は若干早いのですが、糖尿病があると白内障は10歳くらい若く生じる事があります。眼底にはすでにレーザー治療をしてあって、糖尿病網膜症は落ち着いているようでした。
白内障手術を予定しようと思ったのですが、HbA1cが10を超えているとの事でした。これはかなり糖尿病が悪いことを示しています。「白内障は治療すれば治るけど、網膜症が悪化したらなかなか治らないよ」と説明して、白内障の手術をおこないました。7月に手術をしたのですが、特に問題なく手術ができました。
術後の矯正視力は両眼とも1.2になって一安心。以後は糖尿病網膜症が悪くならないか定期検査をすることになりました。外来診察時はかならず糖尿病の治療の様子を聞くのですが、一向にHbA1cが減る様子がありません・・今回受診の時にも聞いたのですが、HbA1cが12もあるようです。初診時よりも悪くなっていてビックリしました。恐らくこのままの数字が続くと糖尿病網膜症が再燃してしまいます。
外来で「このままだと失明するかもしれないよ!」と言いましたが、きちんと内科を受診しているか確認しないといけないですね。ちゃんと内科に言っていれば通常はこのようなHbA1cにはならないと思います。
実際に糖尿病網膜症が活発になってしまうと、いろんな治療や手術がうまくいかないことも多くあります。視力に影響する前に糖尿病が改善してもらいたいものです。
糖尿病で目に生じる変化
本日は白内障手術12件行いました。瞳孔が小さい人もいましたが、特に問題なく手術ができました。
糖尿病で目に生じる変化
糖尿病は全身の血管にダメージを与える病気ですが、当然目の中の血管にも影響してきます。
自分で目の中を見ることはできないので、目の中がどのようになっているか知らない人も多いのではないでしょうか?
まずは以前他院でフォローされていて、当院に来院された末期の糖尿病網膜症方の眼底写真です。視力は0.02です。
次に、20代の正常な眼底写真です。
パッと見て全然違うと思うのですが、解説していきたいと思います。
矢印の部分は視神経乳頭というのですが、正常では肌色をしています。
神経がダメージを受けるとだんだん白くなっていきます。糖尿病の方は真っ白ですね。相当視神経が傷んでいるのだと思います。
網膜は血液で栄養されています。太い血管の方が静脈で、細いほうが動脈(矢印の先)です。正常では、静脈と動脈の太さの比率は3:2程度です。
糖尿病の方の動脈はとっても細いですね・・・一部は写真で確認しづらいくらいです。
網膜のなかで黄斑と呼ばれる部分があります。正常ではこの矢印の場所です。網膜の中でも一番大事な部分で、ここがやられると急激に視力が落ちます。
糖尿病の方は黄斑の色が変になっています。こうなると視力はほとんど出ません。
病気というと「治療すると治る」イメージがあるかもしれませんが、糖尿病網膜症はそうではありません。
いつも火事に例えるのですが、医療でできることは「火を消すこと」だけです。焼けてしまった家を治すことはできないのです。