麻酔をして楽に白内障手術を行う(プレセデックス沈静下白内障手術)
本日は白内障手術を14件行いました。
皆さん無事に終わりました。これで今年の手術はおしまいです。あとで1年の統計を取りたいと思います。
毎年言っていますが、一年があっという間です。
麻酔をして楽に白内障手術を行う(プレセデックス沈静下白内障手術)
白内障手術を躊躇している人の多くは「手術が怖い」と言う理由です。白内障手術が数分で終わって、しかも痛みが殆ど無いとはいえ、目を触られるのに抵抗感がある方がいらっしゃるのはもっともだと思います。
しかし、全身麻酔薬は全身的なリスクがあります。つまり、とっても麻酔薬がとっても聞いてしまう場合、呼吸や血圧の管理が必要になるのです。そのため、一般的には麻酔専門医が全身麻酔を行います。白内障手術で全身麻酔を行うのは極めてまれだと考えて良いと思います(精神病や認知症などでベッド上に安静に出来ない場合などで全身麻酔を行います)。
昨年認定されたプレセデックスという麻酔薬は、呼吸に異常をきたすことが殆どないことから、局所麻酔での手術で使用できるということで厚生省の認可が取れた薬です。
白内障手術でも徐々に使われてきていますが、この薬を投与するのに10分かかるというのがネックです。10分あったら片眼の手術が終わってしまうのです。両眼手術の人はお薬が全部入ることになります。当院で使用しましたが、だんだん全身の緊張がほぐれていくのが分かりました。ぐっすり寝る、と言うわけではなくて、普通通りに歩いて帰宅していました(転倒しないよう注意しましたが、大丈夫そうでした)。
視力が急激に下がる、糖尿病黄斑浮腫
本日は白内障手術16件
無事に終わりました。
外来が終っても、患者さんへの手紙を書いたり、診察の準備などでなかなか忙しいです。
視力が急激に下がる、糖尿病黄斑浮腫
糖尿病は、自覚症状がなかなか出ないので治療をしっかり行わせるのが難しい事がしばしばあります。
そのため、眼科受診した時には病気が結構進んでいて治療が難しい、ということも良く経験します。
最近来院された方ですが、HbA1cが11と結構重症な糖尿病です。
ぱっと見たところ、網膜出血が少ないので重症な感じが少ないです。もしかすると、内科で眼底写真でチェックされているだけでは、重症だと思わないかもしれません。もちろん眼科医が見たら「これはすぐ治療をしないと・・」となります。
視力に大事な黄斑の断層撮影をすると、このようになります。
黄斑は通常少しへこんでいるのですが、浮腫のせいでむしろ厚くなっています。
このせいで、両目とも矯正視力(眼鏡をかけた視力)が0.2程度になっています。これで最近まで運転していたようです。危ないですね・・
抗VEGF薬注射で早急に浮腫を改善させることになります。なんとか生活ができる視力を維持できればよいですね。全力で治療に取り組みたいと思います。
粉瘤をとってスッキリ
2016.09.26 もりや眼科
本日は白内障手術を13件、翼状片主述1件、霰粒腫切除術1件
全て無事に終わりました。
粉瘤をとってスッキリ
粉瘤というのは良性腫瘍の一つとされていて、全身にできることがあるのですが、このように顔にできることもあります。上の写真で赤い矢印の先がそれです。古いと黒っぽくなります。おそらく右のが古くて、左の方が新しいものかもしれません。特徴として、一部分中身が見えることがしばしばあります。今回は2つともまるい穴が開いていて、中身が見えます。
↑今回は白内障手術に併せて一緒に取ってしまいました。皮膚は薄くなっているので切開しても痛みはありません。一応ねんのために麻酔の注射をしてから切開しました。あなから左右に小さく切れ目を入れます。
↑反対側にも切れ目を入れます。
↑中身を引っ張り出します。
↑スポッと取れました。
2個とも取り除いた直後の写真です。すっきりしました。ほんの2-3分の処置で綺麗になります。
眼鏡をかけたことが無い人が白内障手術を受けるときに注意すること
本日は白内障手術9件
無事に終わりました。
眼鏡をかけたことが無い人が白内障手術を受けるときに注意すること
いつも白内障手術を受ける前の検査で、眼鏡を持っている人は持ってきてもらうように言っています。
場合によっては、眼鏡があっていなくて見づらいと言う場合は、白内障手術をせずに眼鏡の度数を合わせるだけで視力が上がってしまう事もたまにあります。
また、手術前後で眼鏡の度数が変わらない、、ということも多くはないですがたまにあります。わざわざ眼鏡を買い直す必要がなくなります。
もう一つ重要なのは、眼鏡を今まで使ったことが無い、もしくは持っているけど殆ど使っていないと言う人を把握することです。
体に着ける物というのは、慣れの要素がとても大きいものです。独身の時に指輪をつけ慣れてなかった私は結婚したあと結婚指輪をつけることにしばらく違和感がありました。しばらくしたら慣れてきましたが。
また、大学に入る前は帽子をつけていることに慣れてなかったので、大学に入ってから頭に帽子をつけていることにしばらく違和感がありました。
恐らく似たことがメガネでもあるようで、いままで眼鏡を掛けたことが無く白内障年齢を迎えると言う人がたまにいらっしゃいます。若い頃に遠くが見えていた、と言う人も、50歳、60歳になると通常老眼になるため、近く用の眼鏡を使うことになります。しかし、眼鏡につけ慣れていない人は、眼鏡をかけるよりも近くが見えない生活の方を選択することがしばしばあります。何故装用出来ないかは人によって異なると思うのですが
①耳や鼻に眼鏡のフレームがのっかることに違和感がある
②レンズのせいで物の大きさがわずかに変化(老眼用のレンズでは一般的に大きく見えます)することが気になる
③レンズのフチのせいで視野が狭くなるのが気になる
という事があります。しかも、ややこしいことにこのような方は見えない原因を「メガネをかけていない事」以外に求めてしまう事があるのです。つまり、近くが見えないけど眼鏡は掛けたくない、何かの病気で見えにくいのではないだろうか?と外来で言われてしまうと、私の方も困ってしまうわけです。
以前当院に来られた方の場合だと、遠くは視力1.2、近くは眼鏡なしで0.3、眼鏡を掛けると1.2見える。眼鏡なしで新聞が読めなくなって困っているというものです。「メガネをかけて新聞を読んで」と言って、実際に眼鏡を掛けてもらっても違和感のせいで上手く掛けられないのです。
白内障手術で遠くが見やすいように眼内レンズの度数をセットすると、一般的に近くが見えにくくなるので眼鏡を掛けてもらうのですが、ここで眼鏡にかけ慣れていない人は不自由を感じてしまうことがあります。このあたりも考慮して眼内レンズの度数を良く相談する必要があります。