眼圧を測る (ゴールドマン眼圧計)
2012.11.01 緑内障
当院では初診時に当院を受診したきっかけを聞いています。
本日、先月分を集計したのですが、知り合いに紹介されたという方が大分増えているようです。
もっと満足してもらえる眼科を目指して頑張ります!
眼圧を測る (ゴールドマン眼圧計)
前回はノンコンタクトトノメーターについてお話をしました。空気で目を押して眼圧を測る器械でした。
それに対して、ゴールドマン眼圧計は診察用の顕微鏡についている眼圧計です。
写真左手は患者さんの顔が乗るところで、右側から私が診察をします。
普段は眼圧計は顕微鏡の横にあるのですが、使用するときは上の図のように前に出します。そして、患者さんに点眼麻酔をしてから、眼圧計を目に当てます。目に眼圧計を当てる圧力で眼圧を計測します。
眼圧計を目に押し当てて、一定の面積をたいらにする力を元に眼圧を計測します。眼圧が高いと、眼圧計を目に強く当てる必要がありますし、眼圧が低いと弱い力で済みます。
ゴールドマン眼圧計は開発されて50年以上もたつものですが、いまだに緑内障診療では信頼されています。また、一定時間継続して眼圧を計測できるので、前回お話した脈波ごと眼圧を計測することもできます。
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眼圧を測る (ノンコンタクトトノメーター)
2012.10.18 緑内障
眼圧を測る (ノンコンタクトトノメーター)
緑内障と眼圧は切っても切れない関係にあります。
緑内障は眼圧が高いと悪化しやすいですし、緑内障の点眼は眼圧を下げることで緑内障の悪化を抑えています。
内科で高血圧の治療をしている方が血圧を毎日測るように、緑内障の方も来院するたびに眼圧を計測します。
現在一般的に使用されている眼圧を測る器械は2種類あります。ひとつは今回紹介するノンコンタクトトノメーターという器械、もう一つはゴールドマン眼圧計というものです。それぞれに特徴があるので、ひとつづつ紹介したいと思います。
ノンコンタクトトノメーターとは、「非接触眼圧計」と言い、空気で目を押すことで眼圧を測ります。
空気が目の表面に当たると、わずかに凹んで元にもどります。眼圧が低いと元に戻るまでに時間がかかり、眼圧が高いと早く元の形に戻ります。その速さから眼圧を割り出します。
当院で採用しているノンコンタクトトノメーター FT-1000
ノンコンタクトトノメーターは空気を当てた瞬間の眼圧を計測します。しかし、眼圧は血圧の影響で常に1-2mmHg変動しています(これを脈波といいます)。そのため、測る瞬間によって眼圧が違ってきてしまいます。それを防ぐために、眼圧は3回程度計測するのが良いとされています。下の図のように、赤いポイントの3回分で平均をとれば、おおよそ本来の眼圧が計測できるでしょう、ということになります。
ノンコンタクトトノメーターは敏感な目に空気を吹き付けられる検査なので、嫌がる方もたまにいます。でも、正確に眼圧を測るためだと思って、しっかり3回計測させていただければと思います。
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いろいろな緑内障(落屑症候群による緑内障(落屑緑内障): PE glaucoma)
2012.10.11 緑内障
いよいよ来週、当院で「入院による白内障手術」を行います。
「手術したいが家族がいないので、入院したい」という声を良く耳にしていました。
近隣の病院で入院していただき、当院スタッフが送迎をするという形になります。
思ったよりも大きな反響があり、早速来週は2名行います。
これについてはまた当ブログで紹介したいと思います。
いろいろな緑内障(落屑症候群による緑内障(落屑緑内障): PE glaucoma)
緑内障にもいくつかタイプがあります。先日解説した閉塞隅角緑内障もそうですが、今回は「落屑症候群による緑内障」を説明したいと思います。落屑症候群というのは、目のなかにフケやチリのようなものが生じたものをいいます。チリは水晶体の表面についたり、瞳孔についたりします。
瞳孔が白くなっているのが分かるでしょうか?これが落屑物質です。
落屑症候群の方では、落屑物質は房水のなかを漂っています。この落屑物質は房水の出口を塞ぐことがあり、そのために眼圧が高くなります。落屑症候群の方は、房水の出口の塞がり具合で眼圧が変化しやすいという特徴もあります。外来で眼圧を測るたびに異なる眼圧が計測されることがあります。
この疾患になる人は地域性があることが知られています。外国では特にアイスランドで多いことが知られており、日本でも九州で多いと言われています。ちなみに、小山市ではあまり多くない印象です。
治療方法としては、通常の緑内障と同様に眼圧を下げることが有効です。ただし、通常よりもやや緑内障が進みやすいことを念頭において治療をすすめる必要があります。
また、白内障の手術が難しいこともあるので、注意が必要です。
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レーザー虹彩切開術 (Laser iridotomy:LI) 閉塞隅角緑内障の治療法
2012.10.05 緑内障
レーザー虹彩切開術 (Laser iridotomy:LI) 閉塞隅角緑内障の治療法
前回は閉塞隅角緑内障について説明をしましたが、今回はその治療について説明します。
簡単におさらいをすると、目の中の水の通り道が狭くなることによって、眼圧が上昇するという病気です。白内障によって水晶体が厚くなると、さらに水が通りにくくなります。
レーザー虹彩切開術(Laser iridotomy:LI)とは、レーザーを用いて虹彩に小さな穴を空けることで、虹彩の後ろから前に房水の通り道を作り、隅角が閉じるのを防ぐ治療です。
アルゴンレーザー、YAGレーザーという2種類のレーザーを用いて、虹彩のはしっこにレーザーを当てます。
下の写真では、小さな穴が開いているのがわかります。このレーザーは痛みは殆どありません。
この小さな穴が空いた瞬間、房水が虹彩の後ろから前に流れるのがわかります。虹彩の穴から出てくる水の流れが、鉄砲の煙に似ているので「gun smoke sign」と呼ばれています。
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緑内障発作(急性閉塞隅角緑内障)が生じるしくみ
2012.09.27 緑内障
来月、10月に日本臨床眼科学会という、大きな学会があります。それに参加させていただくため、26日(金)、27日(土)は休診させていただきます。大変申し訳ありません。
ここで、最新の知見を入手して、診療に反映させたいと思います。
緑内障発作(急性閉塞隅角緑内障)が生じるしくみ
今回は緑内障の発作について説明したいと思います。
眼科で夜中に呼ばれる病気というのはあまり多くありません。たとえ寝ている間に物が見えなくなっても、目を閉じれば気がつかないからかもしれません。しかし、緑内障発作は激痛を伴うので夜間でも駆け込んで来ることがあります。
緑内障発作を簡単に説明すると、目の中の水(房水)の出口(隅角)が詰まることで、眼圧が急上昇することです。眼圧が急上昇すると、頭痛、嘔吐とともに、殆ど見えなくなります。時間とともに視神経が傷み、最悪の場合失明に至ります。
下で、赤い矢印が房水の出口(隅角)です。
しかし、年齢とともに、白内障が進行すると、虹彩が後ろから押される形になります。
虹彩が押されると、隅角が閉じることがあります。隅角が閉じてしまうと、房水の出口がなくなり、結果として眼圧が急上昇します。
下は診察用顕微鏡の写真です。隅角が広い人は房水のスペース(赤矢印)が広いのですが、隅角が狭い人は、このスペースが殆どありません。
下の写真は隅角がとても狭い症例です。上の赤矢印の部分が殆どありません。
この様な場合、隅角が狭いことで眼圧が上昇することもありますし、先ほど説明した緑内障発作が生じる原因にもなります。そこで、房水の通り道を別に作成するという治療を行う場合があります。それについては次回説明したいと思います。
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