3焦点レンズの術後成績が良いです
当院では昨年秋から導入している、白内障手術用の3焦点眼内レンズ「AcrySof® IQ PanOptix® Trifocal」ですが、かなりの件数をこなすようになりました。県内では沢山使っている方だと思います。
従来の2焦点レンズと比較して、値段が高いのは難点ですが、それにふさわしい術後視力・満足度を得ています。そのため、現在当院で多焦点レンズを希望される方の多くはこのレンズになっています。
上の写真がパンオプティクスという最新の三焦点レンズです。ギザギザの模様が従来の多焦点とは違います。
下の写真が単焦点レンズの見え方です。遠くにピントを合わせたら近くは眼鏡が必要です。
3焦点レンズは下の写真のように、いろいろな距離にピントが合います。
写真ではスマホが鮮明に見えていますが、そこまではくっきりしないと思います。
スマホは結構目と近い距離で使うことが多いので、3焦点でカバーできる距離より近いことが多いようです。また、スマホは小さくて文字も細かいので、眼鏡が必要になるかもしれません。
3焦点レンズはピントが多くて便利、というだけではなくて、目に入った光を少ないロスで網膜に届ける、という特徴があります。そのため、従来の多焦点レンズと比較してくっきり見えるのです。おそらくこれが患者さんに喜ばれる理由だと思います。
欠点としては、夜間運転で眩しくなることなどがありますので、注意が必要です。
当院では以前から多焦点レンズは使用しているのですが、遠くも近くも裸眼視力1.2がでたのはこのレンズが初めてです(必ずしも皆さんがこの視力になるわけではありません)。近隣の眼鏡屋さんがびっくりしていたよ、とお話していました。
新しい多焦点レンズ
2020.09.28 白内障
白内障手術の技術の進歩のスピードはものすごいです。昨年出たばかりの3焦点レンズも、術後患者さんの満足度が高いのでびっくりしましたが、最近は5焦点レンズが話題になっています。レンズの名前はIntensity(インテンシティー)と言います。
焦点の数が多ければよい、というわけではありません。目に入った光をロスなくうまく使用でき、かつ遠くも近くも見えることを追及した結果こうなるのだそうです。
3焦点レンズ(パンオプティクス)は眼内に入った光の88%が利用できるのですが、この5焦点レンズだと93.5%が利用できるようで、遠くも近くもくっきり見えるようになります。
国内で認定されていないレンズのため、選定療養は使用できず、自費診療となります。
患者さんのアンケート
2020.02.19 白内障
新しい多焦点眼内レンズ 3焦点眼内レンズ(先進医療適応)パンオプティクス 「AcrySof® IQ PanOptix® Trifocal」
新しい多焦点眼内レンズ 3焦点眼内レンズ(先進医療適応)パンオプティクス 「AcrySof® IQ PanOptix® Trifocal」
ESCRS(ヨーロッパ屈折矯正学会)で、注目を浴びていた3焦点レンズが先日国内で販売されました。先進医療に認定されている、初めての3焦点レンズになります。
従来の2焦点レンズとの違いは
・遠く・中間距離・近くまでまんべんなく視力が出る
・目に入った光のロスが少ない
ことにあります。色々な複雑なテクノロジーが使われているのですが、結局のところ私のような実際に患者さんを手術する立場で一番大事なのは「患者さんが喜んでくれるのか」という一言に尽きます。なので、新製品は一番初めには使わなくて、まずは色々な眼科医に様子を聞くことにしています。
このレンズの仲間に話を聞くと、患者さんはとても喜んでくれるレンズだということでした。
先日当院で使用した結果でいうと、とても満足感が強かったです。
手術後 裸眼視力 遠方1.2 近方0.8でした。
他のレンズではこのように遠くも近くも視力がでることはあまりありません。夜の運転では光が散って見えると言う事でしたが、許容範囲内ということでした。他の多焦点レンズよりも価格は高いですが、相応の結果が得られていると感じました。