いろいろな種類の白内障(皮質白内障について)
2012.09.10 白内障
本日は白内障の手術2件+翼状片の手術を行いました。
みなさん無事に手術を終えました。
当院では翼状片は「遊離弁移植術」という方法で行っているのですが、再発が少なく、術後の見た目も良いという特徴があります。また機会があれば紹介したいと思います。
いろいろな種類の白内障(皮質白内障について)
今回は皮質白内障について述べたいと思います。これも頻度の高いタイプの白内障です。
皮質というのは、水晶体で核を包んでいる部分で、下の図で灰色の部分のことです。皮質の繊維は中心から放射状に伸びているので、そこが混濁すると、右の図のように、放射状の濁りが生じます。
皮質白内障は写真のように、外側からにごり始めることが殆どです。そのため、経度の皮質白内障では視力は低下しません。その代わり、混濁部分が光を乱反射させるために眩しく感じます。
また、上の図のように、皮質のにごりが水晶体の中心まで達すると視力低下をきたす原因になります。また、下の図くらいに混濁が強くなると、かなり視力が低下することになります。
一般的に白内障は視力が低下していれば手術を行うのですが、皮質白内障特有の「まぶしさ」が強い方も、白内障手術を行うことがあります。
いろいろな種類の白内障(核白内障について)
2012.09.03 白内障
今日は白内障の手術を4件行いました。
無事に手術を終えました。
先日は私の先輩眼科医が2名来られました。
どちらも私が目標としている医師で、私も負けないように頑張らないといけないと思いました。
いろいろな種類の白内障(核白内障について)
一口に白内障と言っても、いろいろな種類があります。
その中でももっとも一般的である、核白内障について説明したいと思います。水晶体の芯に相当する部分は核といって、水晶体の中でもっとも密度の濃いところです(イラストの黄色い部分)。
右側は診察で使う顕微鏡で見た図なのですが、赤い部分は水晶体で、その中に核があるのがわかります(青矢印)。
年齢とともに、水晶体の外側から水晶体細胞は増殖し続けます。結果として、水晶体細胞はどんどん凝縮していきます。その結果、核の凝縮は年齢とともに進み、核白内障になります。
上は核白内障の写真ですが、これは一般的な60代の方の水晶体です。水晶体の核がどこにあるのか、分かると思います。生後すぐの赤ちゃんの水晶体は全くと言っていいほどクリアですが、さすがに60歳ともなると、このくらいは誰しも濁っています。ただし、視力が低下していなければ殆ど気にする必要はないと思います。
上の写真はもう少し進んだ核白内障です。先ほどより核がはっきりしていますね。これくらい混濁すると視力低下を引き起こしますので、手術適応になります。また、核白内障の特徴として、「近視がすすむ」というものがあります。これは核が濃縮されることで、屈折力(光の曲がりかた)が増えるためです。そのため、核白内障が進行している方は頻繁に眼鏡を作り直している方もいらっしゃいます。
白内障は進行するとともに黄色⇒茶色とだんだん色が濃くなっていきます。あまり進行すると、水晶体が固くなるので、それを破砕するためのエネルギーが多く必要になることがあります。
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白内障で視力が落ちるしくみ
2012.08.27 白内障
本当は週に2回更新しているのですが、先週は1回だけになってしまいました。ネタは沢山あるので、2回のペースを維持したいと思います。
毎週スタッフの勉強会をしているのですが、今週は点眼の名前を覚えてもらっています。
初診の患者さんで前医の点眼を聞くと、点眼の製品名ではなくて、「疲れ目に効く赤い目薬をつけてます」という事がよくあります。そんな時、うちのスタッフであれば、「それはサンコバですね!!」とビシッと指摘してくれると思います。私と、スタッフとがともに患者さんと向き合える眼科にしたいと思います。
さて、今週は白内障の手術を5件行いました。それぞれ無事に手術を終えました。
今回は白内障についてです。まだまだ簡単な内容ですが、そのうち詳しいことも書いていきます。
白内障で視力が落ちるしくみ
今回は、「白内障でなぜ見えなくなるのか」について、ごく簡単な説明をしたいと思います。
目の中には水晶体というレンズが入っています。カメラのレンズと同じ作用で、目のなかに光を導くという役割があります。
水晶体は年齢とともに、必ず濁ってきます。水晶体が濁ったものを白内障といいます。
白内障になると、水晶体が濁って光を通しにくくなるので、視力が低下します。
水晶体は、実は生きている細胞からできているため、年齢による影響を受けてしまいます。水晶体のにごり方はいろいろです。
これは皮質白内障と言って、水晶体の周辺からにごります。
これは後嚢下白内障と言って、水晶体の奥側がにごります。
これらのように、水晶体の一部だけ濁る白内障もあれば、
このように、水晶体全体が濁る白内障もあります。
にごりによって、目のなかにうまく光が入らなくなると視力低下をします。いろいろな種類の白内障について、今後説明していきたいと思います。
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視力が下がったから白内障?(矯正視力と裸眼視力)
2012.08.17 白内障
今日はとても暑かったですね。小山市では午後にゲリラ豪雨があり、雷もとてもすごかったです。
お盆はゆっくり休ませていただきました。
さて、今日は白内障についての話題にしたいと思います(といっても、視力の話からですが)
今度当院では乱視を減らす眼内レンズを用います。これは乱視のある患者さんにはとても良いレンズで、メガネなしでの視力を最大限出すことができます。
このような高機能レンズは、適応となる患者さんには大変メリットがあります。また、レンズ代は手術代に含まれるため、患者さんの出費も増えません。
乱視用レンズの話はまた後日行いたいと思います。
視力が下がったから白内障?(矯正視力と裸眼視力)
当院は眼科ですから、「見えなくなった」という人があつまります。そこで、視力低下で来院した患者さんには視力検査をしてもらいます。
視力検査では「ランドルト環」を用います。名前は知らなくても、これは見たことがあると思います。
視力表がこんな風に見えなくなれば視力低下ですが、その場合、目の前にレンズを置いて視力計測を続けます。もしレンズを置いて下のようにはっきり見えるようになれば、眼科としては良い目(視力の出る目)とされます。
目の中にはレンズが入っているのですが、レンズには決まった焦点があります。
赤い矢印が焦点です。外から入った光がうまく網膜にピントが合えばよいのですが、ピントが合わないと当然ぼやけて見えます。しかし、ピントがうまく合っていない状態というのは、目の病気の度合いを示しているわけではないので、眼科診療にはあまり役に立ちません。一般的にはピントが合っている状態の見え方(矯正視力)で評価します。
もし、白内障であれば、上の図でレンズが濁っているのですから、いくらピントを合わせても見えません。
逆に、白内障(その他の目の病気)でなければ、ピントを合わせればよく見えるようになります。特に、40歳を過ぎるとピントを合わせる能力が急に減少するので、その分メガネをよく合わせる必要があります。当院ではメガネ専門の技師や視能訓練士がいるので、患者さんの要望に合わせて適切なメガネを作ることができます。
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