目の構造について(チン小帯)
2012.10.22 白内障
本日は
白内障手術 7件
すべて無事に手術を終えました。
明日の視力計測が楽しみです。
さて、先日もお伝えしましたが、今週末は臨床眼科学会という眼科の大きな学会があります。
最先端の情報を勉強しに行ってまいります。そのため、大変申し訳ありませんが、10月26.27日は休診とさせていただきます。
目の構造について(チン小帯)
今回は目の構造についての話です。
おさらいですが、白内障は水晶体が濁った状態のことでした。
この水晶体ですが、チン小帯という筋肉で吊るされているという構造をしています。
この部分がチン小帯です。チン小帯の役目は、水晶体を支えることですが、水晶体の厚みを変えることでピントの調節もできます。
チン小帯は水晶体を押し込む方向で力が働きます。つまり、水晶体のレンズの度数を上げたい(近くを見たい)時にはチン小帯によって水晶体の厚みが増します。
白内障の手術は、水晶体を削りながら吸い出していくという手術なのである程度チン小帯に負担がかかります。進行している白内障(硬い白内障)では、その分削り出すときに余計にチン小帯に負担がかかります。また、「落屑症候群」の方は、チン小帯が弱くなっていることが知られています。術前の診察でこれが見つかった時には慎重に手術を行います。
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ピントをしっかり合わせる 光眼軸長測定装置
2012.10.15 白内障
今回は多くの手術がありました。
白内障手術4件
眼瞼下垂手術4件
眼瞼内反症手術1件
すべて無事に終わりました。
入院での手術の方もいましたが、特に大きなトラブルもありませんでした。病院までが近いのであっという間に送迎できました。スタッフのみなさん、送迎ありがとうございました。
CO2レーザーによる眼瞼下垂手術はとても良いですね。瞼はとても血流が豊富なので、手術中の止血操作が大変なのですが、CO2レーザー手術だと切開と同時に止血が終わるので手術時間がとても短くなります。もちろん、術後の腫脹も少ないので仕上がりもとても綺麗です。
ピントをしっかり合わせる 光眼軸長測定装置
前回はピントとジオプターについて説明しました。
おさらいをすると、手術後に遠くをメガネなしで見たければ0D(ジオプター)を目標に、また、近くを見たければ大体-2Dを目標に眼内レンズを選びます。
レンズ選びには特殊な計算式を用いて、使用する眼内レンズの度数と術後のジオプターを算出します。その時に重要なのが目の奥行き(眼軸長:がんじくちょう)です。
イラストの赤の部分が眼軸長です。白内障の手術は年々進歩していますが、眼内レンズの度数合わせの精度もとても進歩しています。
以前から、眼軸長測定には超音波を用いた装置が使用されてきました。この超音波は、お腹の中を診察する「エコー」と同じです。目の奥に音波が当たってはね返るまでの時間を計測することで眼軸長を測定します。エコーと同じで、器械が直接触れないと測定することができません。超音波眼軸長測定でも、プローブを目に直接当てて計測します。
痛くないように、麻酔の目薬をしてから計測します。当然ですが、プローブで目を押してしまうと短く測定されます。しかも、プローブをまっすぐ当てるのがなかなか難しいため、正確に測定するためには修練が必要です。
それに対して、新しく開発された、光眼軸長測定装置はとても正確です。目は透明なので、超音波の代わりに光を用いても大丈夫なんです。当院ではトーメー社のOA-1000を用いています。
超音波と比較して圧倒的に正確なのはもちろんですが、プローブが目に触れないし、測定も早いので患者さんもすごく楽になりました。
良いことづくめのようですが、目の奥に光が届かないくらい白内障が進行している人は残念ながらこの装置で検査できません。その場合には超音波の眼軸長測定装置を用いることになります。
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ジオプターと眼内レンズの度数
2012.10.01 白内障
本日は白内障手術1件でしたが、無事に終わりました。 ジオプターと眼内レンズの度数 白内障の手術では、濁った水晶体を取り除く代わりに、人工のレンズが入ります。もちろん、人工のレンズには度数がついていて、もともとあった近視や遠視を調整することができます。 遠く(0D)に合わせるとこのように見えます。遠くにあるトトロははっきりと見えるのですが、近くにある本+羊2匹はぼんやりしています。
来週はCO2レーザーを用いた最先端の眼瞼下垂も予定しています。仕上がりが綺麗でとても良い手術だと思うので、後日紹介したいと思います。
先週はジオプターについて書いたので、それに続いて眼内レンズの度数について書きたいと思います。
おさらいしておくとこんな感じで、無限に遠くにピントが会うのは0Dで、本を読んだりするときは大体50センチくらいの所なので、-2Dという度数となります。つまり、手術後にメガネなしで遠くを見たいか、近くを見たいかでレンズの度数が変わってきてしまうのです。
逆に、近く(-2D)に合わせるとこのようになります。さっきとは反対で、遠くにあるトトロはぼんやりしていますが、近くの本+羊2匹ははっきりと見えます
ジオプターについて
2012.09.24 白内障
ジオプターについて
一般的に眼科で視力を測る時にはレンズで矯正します。当然レンズは色々な度数があるのですが、その単位がジオプターです。ジオプターの説明は難しいのですが、これがわかると白内障手術の理解がより深まります。
ジオプターは、ピントが合う最も遠い距離で計算します。レフケラトメーターという機械で計測できますが、簡単な方法としては遠くにあるものを見ながら徐々に近づいてピントがあう距離を調べます。
その距離からジオプターを算出します。計算には下の式を用います。
ピントが合う最も遠い距離が20cmのときは-5D、50cmのときは-2D、1mのときは-1Dということになります。無限の遠くが見えるときは0Dです。
ここまでが分かっていると、術後の見え方がわかるようになります。これについては次回説明したいと思います。
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白内障はいつから生じる?
2012.09.17 白内障
白内障はいつから生じる?
外来をやっているとよく聞かれることがあります。
「私は白内障があるのでしょうか?」
70歳に近くなると、周囲で白内障手術をする人が増えるので、ご近所同士で白内障手術の話題がでるのだと思います。
しかし、実際には白内障自体は20代位から少しずつ出てきているのです。ですから、60、70代のを診察すると、間違いなく全ての方に白内障がある、ということになります。
下の写真、左は中学生の方の水晶体です。水晶体の核は全く黄色くなっていません。また、核が透明なため、どこが核なのかもはっきり見えません。
それに対して、右は70歳の方の白内障です。どこに水晶体の核があるか、よくわかります。また、奥の方が黄色っぽくなっているのもわかります。
(核については以前のブロクを参考にしてください)
ただ、実際には、「あなたは白内障がありますよ」と言うとかなりショックを受けるかたもいらっしゃいます。もちろん白内障で視力が下がっていたり、手術が必要な方にはそう伝えなくてはなりません。
しかし、白内障が軽度で視力がとても良い場合は「病気」としてみなす程ではないと考えられます。ですから、「あなたは白内障はありませんよ」とお伝えすることにしています。
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