乱視について詳しくなろう(強主経線と弱主経線)
2014.05.26 白内障
今日は白内障手術8件
翼状片手術1件
眼瞼内反症手術1件を行いました。
白内障はかなり固くなっている人もいましたが、無事に終わりました。
乱視について詳しくなろう(強主経線と弱主経線)
患者さんに説明してもなかなか分かってもらえない乱視ですが、眼科のスタッフでも正確に理解するのはとても難しいことです。今回は、乱視についてなるべくわかりやすいように説明したいと思います。
結構昔ですが、乱視と白内障について記事を書きました。
たとえば、このように横長の眼球の場合で考えてみます。
角膜はカーブがきついほど屈折力が強いという特徴があります。赤の断面では角膜のカーブがゆるく、青の断面では角膜のカーブはきつくなります。そのため、赤の断面を通る光の焦点は、青の断面を通る光と比べて奥の方になってしまいます。
話は変わって、地球儀の話です。以前学生だったときに「経線」について習ったことがあると思いますが、覚えていますでしょうか。分かりやすくいうと北極と南極を結ぶ線の事を言います。
北極側を手前にして先ほどの眼球と比べてみましょう。すると、眼球の図で青い断面も赤い断面も経線に相当することが分かると思います。経線の中でももっともカーブが強いところ(度数の強いところ:眼球の図でいう青線)を「強主経線」、カーブが弱いところ(度数の弱いところ:眼球の図の赤線)を「弱主経線」と言うのです。
真ん中がへこんでいるレンズは凹レンズといって、レンズの度数を減らす役割があります。このレンズを強主経線の位置に合わせて置くことで、強主経線のレンズの度数を減らすことができます。一方で、弱主経線の度数はそのままにすることがでるので、結果として乱視の度数(強主経線の度数から弱主経線の度数を引いたもの)が減ります。