糖尿病網膜症で網膜に起きる変化3(新生血管、硝子体出血)
2013.06.24 網膜
今日は白内障手術8件
霰粒腫1件行いました。難しい症例もありましたが、無事に終わりました。
糖尿病網膜症で網膜に起きる変化3(新生血管、硝子体出血)
網膜は血液を大量に必要とするので、そのぶん血管が張り巡らされています。糖尿病網膜症で血管が傷むと、そのぶん血流が悪くなり、網膜に十分血液が行かなくなってしまいます。そうすると、血液の足りなくなった網膜は血液を手に入れるために血管を作り始めます。これを新生血管といいます。
羊に例えると、上段は牧草(血液)が十分にあるため、羊(網膜)が満足している様子です。しかし、糖尿病が進むと牧草(血液)が減ってしまうので、羊(網膜)が怒り出してしまい、周囲にいろいろな悪さをするわけです。
以前お話した軟性白斑と同様、この新生血管が少しでも認められたら、糖尿病網膜症が活発であるサインです。そのため、積極的に治療を行わなければなりません。
新生血管は、できる場所によっては緑内障を引き起こすこともありますが、硝子体出血を引き起こすことがあります。硝子体出血とは、眼球内に出血してしまうことをいいます。
眼の中は本来透明なのですが、ほんの少しの硝子体出血で濁ってしまいます。そのため、発症と同時に視力が急激に低下することが多いです。
これが硝子体出血の写真です。眼球内にたまった血液のせいで、眼底がほとんど見えません。左上のほうだけ、少し網膜の様子がわかります。
これは、手術で出血を取った後の写真です。眼底がはっきり見えます。