白内障が進行して生じる緑内障
2016.08.01 緑内障
本日は白内障手術 13件
翼状片手術2件
無事に終わりました。
白内障が進行して生じる緑内障
緑内障といっても、いくつか種類があります。外来で多く診察するのは慢性疾患である開放隅角緑内障です。これは数年単位でしか変化しないので、気長に診療・点眼を続ける疾患です。
一方で急性の緑内障というものがあります。目の中の水の出口である隅角が急に詰まってしまう病気です。
眼の中には水が入っていて、上のイラストの青矢印の方向で流れています。この青矢印の通り道が詰まってしまうと、目の中の圧が一気に上がってしまいます。通常20mmHg前後の眼圧なのが、50mmHg以上になることがあります。こうなると、1日から数日で失明してしまいます。眼球の大きさが小さい人でこのタイプの緑内障が生じ安いことが分かっています。また、白内障が生じる年齢で生じやすいのです。
白内障になると、水晶体の厚みが増えます(上のイラストの赤矢印)。そうすると、虹彩と水晶体の間が狭くなり、水の流れる通り道が閉塞しやすくなります。当院でも年間2-3人は急性緑内障発作をみます。
これは先日来院された患者さんの写真です。片目で瞳孔がやや大きくなっています。これは、白内障が進行したせいで、瞳孔を圧迫しているのです。幸い、眼圧は正常値でしたが、もしかしたら以前眼圧が高い時期があったのかもしれません。視神経は無事でした。早速緑内障発作を予防する処置をおこない、失明を免れました。
また、今後近いうちに白内障手術をする予定になっています。白内障手術をすると、分厚い水晶体を除去して、薄い眼内レンズが入るので、目の中の水のめぐりが良くなります。そうすると、緑内障発作はほとんどおきなくなります。