アレルギー性結膜炎に対する点眼治療
2018.02.26 もりや眼科
本日は白内障手術を16件行いました(多焦点1例、乱視用レンズ2例)
全て無事に終わりました。
アレルギー性結膜炎に対する点眼治療
今年はもう花粉が飛び始めていると、天気予報でやっていました。昨年花粉があまり多く飛ばなかったのですが、今年は例年並みだそうです。そのため、昨年大丈夫だった人でも今年は花粉症になるかもしれません。
既に当院でも花粉症の患者さんが来院し始めています。昨年治療を行った方に対して、「初期治療のススメ」ハガキを出したので、意識の高いアレルギー性結膜炎の方は既に点眼を処方していて点眼し始めています。花粉症は発症してしまうと苦しい思いをするので、その前にしっかり点眼を聞かせることで発症をなるべく抑えましょう、というものです。
一般的に使用する点眼は「パタノール」点眼液です。これは非常に効果が高いと評判の良い点眼です。副作用も無いことから、気軽に処方することが出来ます。
パタノールよりも効果が高いですよ、ということで発売されたのが「アレジオン」です。痒みの原因となるヒスタミンを抑える数値が高いとの事です。しかし、パタノールとアレジオンを両方処方して比較したことがないので、どちらが良く効くかという実際の評価は良く分かりません。良く効く薬なのですが、薬価がパタノールよりも高いのが難点です。そのため、保険の負担が無い人、もしくは1割負担の人だと処方しやすいです。
以上の点眼はほとんど副作用が無くて、使用しやすい点眼です。しかし、それでも痒くて大変と言う人には、ステロイドの点眼を処方します。数日であれば問題ないのですが、数週間使用してしまうと眼圧が上がる人がいます。他にも白内障などの副作用がありますが、基本的には長期間使用しなければ大丈夫です。この種の点眼は眼科医によって出す医師と出さない医師がいると思います。
ステロイドの中で一番効果が高いのが「リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%」当院では同等の製品である「サンベタゾン0.1%」を使用しています。
花粉症で悩んでいる眼科医でこれを使っている人が結構多い印象です。それだけ良く効きます。ただ、上に書いたように時々眼圧を測ったほうが良いと思います。
私は現在の職場になってから、アレルギー性鼻炎と結膜炎には殆どならなくなりました。これは職場の中に空気清浄器があるからだと思っています。
緑内障手術後の眼圧管理
今週は白内障手術を16件行いました。
皆さん無事に手術を終えました。
保険審査の方からの指導により、栃木県内で両眼同日白内障手術が出来なくなりました。大変申し訳ございませんが、2月15日以降で手術を予定していた方には、片目ずつ別々の日に手術を行わせていただくことにしました。既に手術を申し込んでいた方には大変申し訳ありません。ご理解・ご協力の程宜しくお願い致します。
緑内障手術後の眼圧管理
緑内障の手術、当院では主にエクスプレスシャントを用いた手術を行っております。これは、手術をしたら終わり、と言うものでは無くて、手術をしてから後の管理が重要になります。緑内障の手術は簡単に言うと目の中の水を外に逃がす手術です。水の通り道は目にとっては傷なので、治ろうとしてしまいます。傷が治ってしまうと手術の効果が無くなって、眼圧が上がってしまいます。一方で、傷が大きすぎると眼圧が無くなってしまい、それも目にとっては悪影響となってしまいます。つまり、傷が治ろうとするのをなんとか食い止める必要があるのです。
当院に昨年導入された、CASIAを用いると手術後の様子がよくわかります。上の写真で黒いスペースが水です。つまり、黒い部分が大きいほど眼圧を下げる効果が高い、と言う事になります。この方は眼圧がやや高い状態だったので、眼球マッサージを行いました。眼球を指圧することで目の中の水を外に逃がす処置です。
処置後、眼圧が下がっていて、再度検査をすると水たまりが増えていました。今後この患者さんは毎日マッサージを頑張ってもらう事になります。
3次元前眼部OCTを用いた白内障の術前検査
昨日は白内障手術15件(うち多焦点眼内レンズ2件)
霰粒腫切開術1件
無事に終わりました。
3次元前眼部OCTを用いた白内障の術前検査
白内障の手術を申込みすると、色々検査を行います。手術を申し込んだ時に検査して、もう一度来てもらいます。その次が手術日と言う事になります。手術前に2回来てもらうのは理由があって、申し込み時の検査で異常があったときに次の外来で説明する必要があること、もう一つは同じ検査を2回日を変えて行う事で検査精度を上げたいと言う事です。
眼軸長検査は、眼内レンズの度数決定に非常に重要な検査になるのですが、これは手術後の裸眼視力を決定するような大事な検査なので、これは2回行います。
今回説明するのは角膜形状解析検査(CASIA2)と言うものです。この機械は最先端の機械なので、県内でもまだ数台(多分4-5台?)しか導入している施設がありません。これを行うと角膜という部分を詳細に検査することが出来ます。
右下の写真は角膜断層図です。白内障の断面を見ることができます。白内障は結構分厚い事がわかります。虹彩が押し上げられているのも分かります。
赤い四角で囲った高次収差というのは、術後視力に影響する大事な数字です。HOAsと書いてあります。SAというのも視力に影響します。これは眼鏡で矯正できない乱視を意味します。そのため、この数値が高いと手術後に視力が出にくい可能性がある事を示しています。そのため、これで異常値が出た場合は術前に患者さんに伝える必要があります。若い頃に目にけがをしていて、傷がすっかり治って診察で分からない感じだったのがこの検査をすると異常として出ることもあります。
多焦点レンズを使用する人にはこの数値はとても重要です。高次収差が多い場合は、多焦点レンズを用いると術後視力が出にくい原因になることがあるのです。このような場合は、通常の単焦点レンズを勧めることになります。手術をして喜んでいただきたいので、その人にいちばんふさわしいレンズを選択する助けになります。