乱視を治す眼内レンズ
2016.08.29 白内障
今週は白内障手術を13件行いました。(入院2件)
無事に終わりました。
乱視を治す眼内レンズ
誰でも多かれ少なかれ乱視があります。若い人はある程度の乱視(直乱視)を残して手術を行った方が良い場合もあります。しかし大抵の方は乱視があれば矯正した方が視力があがります。
白内障手術で使用する眼内レンズは乱視ありのレンズとなしのレンズがあります。当然乱視を矯正するレンズの方が値段も高く、術前検査も煩雑になります。そのため、どの程度の割合で乱視用レンズを用いるかはそれぞれのクリニック次第、ということになります。当院では約3割の方で乱視用レンズを使用しています。おそらく多い方だと思います。
乱視はレンズを入れる向きが大事です。そのため、写真の通りレンズにマークがついています。これを乱視の角度とあわせて入れます。レンズを入れた後、レンズを回転させて、適切な角度にします。
レンズに点が2ヶ所づつついています。
今週手術した方は-1.5Dという中程度の乱視が両目にありましたが、それが完全に矯正されて、裸眼で1.2がでるようになりました。患者さんは「乱視用のレンズを入れたから眼鏡なしで良く見える」と言うのが分かっていただけているか分からないのですが、喜んでもらえているので良しとしたいと思います。
患者さんとしては、乱視用レンズを使用してもしなくても手術費用に違いはありません。そのため、患者さん側からするとメリットの多いレンズだと思います。
ミドリンPアレルギー
2016.08.27
本日は白内障手術を13件行いました。台風の影響で1名が来院出来ませんでした。
風がとても強かったのですが、手術を行った方は無事に帰宅できたようで安心しました。
ミドリンPアレルギー
忘れたころにおこるのがミドリンPアレルギーです。おおよそ500人に一人くらいで生じるようです。
糖尿病網膜症の検査や、白内障手術前検査では大抵この点眼を使用します。ほとんどの方は問題なくこの点眼を使用できるのですが、稀にこの点眼をしてから充血することがあります。
先日ミドリンPアレルギーになった方は、午前中受診して、飛蚊症の検査を行うために右眼のみミドリンPを点眼して、散瞳検査を行いました。
夕方4時位になってから充血、目やにが生じたということで連絡がありました。
右の写真が右眼なのですが、左眼と比較すると白目が赤くなっています。
時間が経つと治るのですが、場合によっては1週間程度充血が続くことがあります。早く治すためにステロイド点眼を行います。また、次回から散瞳検査を行うときには充血が生じにくいミドリンM点眼を使用することになります。散瞳に時間がかかりますが、充血しにくい点眼液です。
平成28年7月の治療実績
2016.08.09 手術実績
目がピクピクする病気(片側顔面けいれん)
2016.08.08 もりや眼科
本日は白内障手術15件行いました。
無事に手術を終えました。今日はご家族の見学が多かったです。手術に集中していて、数名ですがご家族が見学しているのに気が付きませんでした。手術が終わってから気が付きました。挨拶できずにすいません・・
目がピクピクする病気(片側顔面けいれん)
当院に限らないと思うのですが、眼科で良く「目がピクピクする」という訴えで来院されます。診察時にピクピクしていればよいのですが、そうでない場合はうまく診断できないこともあります。
結構程度のひどい人は、1日中ピクピクしていることもあります。これは結構生活に不自由していそうです。まぶたがピクピク=眼瞼けいれんと思いそうですが、実際にはこれは片側顔面けいれんという病名です。
このようにピクピクしてしまいます。
片側顔面けいれんは、ボトックス注射の適応になります。早速ボトックスを下眼瞼に注射しました。ボトックスの効果は注射後約2週間で最大になるので、そのあたりで効果判定を行いました。
まだ多少ピクピクした感じは残るようですが、見た目ではほとんど分からないくらいになりました。
生活の質が改善していて、とても喜んでいました。効果は約2から4か月間持続しますが、個人差が大きいです。今後この注射を続ける必要があるか、様子を見る必要があります。
白内障が進行して生じる緑内障
2016.08.01 緑内障
本日は白内障手術 13件
翼状片手術2件
無事に終わりました。
白内障が進行して生じる緑内障
緑内障といっても、いくつか種類があります。外来で多く診察するのは慢性疾患である開放隅角緑内障です。これは数年単位でしか変化しないので、気長に診療・点眼を続ける疾患です。
一方で急性の緑内障というものがあります。目の中の水の出口である隅角が急に詰まってしまう病気です。
眼の中には水が入っていて、上のイラストの青矢印の方向で流れています。この青矢印の通り道が詰まってしまうと、目の中の圧が一気に上がってしまいます。通常20mmHg前後の眼圧なのが、50mmHg以上になることがあります。こうなると、1日から数日で失明してしまいます。眼球の大きさが小さい人でこのタイプの緑内障が生じ安いことが分かっています。また、白内障が生じる年齢で生じやすいのです。
白内障になると、水晶体の厚みが増えます(上のイラストの赤矢印)。そうすると、虹彩と水晶体の間が狭くなり、水の流れる通り道が閉塞しやすくなります。当院でも年間2-3人は急性緑内障発作をみます。
これは先日来院された患者さんの写真です。片目で瞳孔がやや大きくなっています。これは、白内障が進行したせいで、瞳孔を圧迫しているのです。幸い、眼圧は正常値でしたが、もしかしたら以前眼圧が高い時期があったのかもしれません。視神経は無事でした。早速緑内障発作を予防する処置をおこない、失明を免れました。
また、今後近いうちに白内障手術をする予定になっています。白内障手術をすると、分厚い水晶体を除去して、薄い眼内レンズが入るので、目の中の水のめぐりが良くなります。そうすると、緑内障発作はほとんどおきなくなります。