いろいろな緑内障(落屑症候群による緑内障(落屑緑内障): PE glaucoma)
2012.10.11 緑内障
いよいよ来週、当院で「入院による白内障手術」を行います。
「手術したいが家族がいないので、入院したい」という声を良く耳にしていました。
近隣の病院で入院していただき、当院スタッフが送迎をするという形になります。
思ったよりも大きな反響があり、早速来週は2名行います。
これについてはまた当ブログで紹介したいと思います。
いろいろな緑内障(落屑症候群による緑内障(落屑緑内障): PE glaucoma)
緑内障にもいくつかタイプがあります。先日解説した閉塞隅角緑内障もそうですが、今回は「落屑症候群による緑内障」を説明したいと思います。落屑症候群というのは、目のなかにフケやチリのようなものが生じたものをいいます。チリは水晶体の表面についたり、瞳孔についたりします。
瞳孔が白くなっているのが分かるでしょうか?これが落屑物質です。
落屑症候群の方では、落屑物質は房水のなかを漂っています。この落屑物質は房水の出口を塞ぐことがあり、そのために眼圧が高くなります。落屑症候群の方は、房水の出口の塞がり具合で眼圧が変化しやすいという特徴もあります。外来で眼圧を測るたびに異なる眼圧が計測されることがあります。
この疾患になる人は地域性があることが知られています。外国では特にアイスランドで多いことが知られており、日本でも九州で多いと言われています。ちなみに、小山市ではあまり多くない印象です。
治療方法としては、通常の緑内障と同様に眼圧を下げることが有効です。ただし、通常よりもやや緑内障が進みやすいことを念頭において治療をすすめる必要があります。
また、白内障の手術が難しいこともあるので、注意が必要です。
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レーザー虹彩切開術 (Laser iridotomy:LI) 閉塞隅角緑内障の治療法
2012.10.05 緑内障
レーザー虹彩切開術 (Laser iridotomy:LI) 閉塞隅角緑内障の治療法
前回は閉塞隅角緑内障について説明をしましたが、今回はその治療について説明します。
簡単におさらいをすると、目の中の水の通り道が狭くなることによって、眼圧が上昇するという病気です。白内障によって水晶体が厚くなると、さらに水が通りにくくなります。
レーザー虹彩切開術(Laser iridotomy:LI)とは、レーザーを用いて虹彩に小さな穴を空けることで、虹彩の後ろから前に房水の通り道を作り、隅角が閉じるのを防ぐ治療です。
アルゴンレーザー、YAGレーザーという2種類のレーザーを用いて、虹彩のはしっこにレーザーを当てます。
下の写真では、小さな穴が開いているのがわかります。このレーザーは痛みは殆どありません。
この小さな穴が空いた瞬間、房水が虹彩の後ろから前に流れるのがわかります。虹彩の穴から出てくる水の流れが、鉄砲の煙に似ているので「gun smoke sign」と呼ばれています。
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ジオプターと眼内レンズの度数
2012.10.01 白内障
本日は白内障手術1件でしたが、無事に終わりました。 ジオプターと眼内レンズの度数 白内障の手術では、濁った水晶体を取り除く代わりに、人工のレンズが入ります。もちろん、人工のレンズには度数がついていて、もともとあった近視や遠視を調整することができます。 遠く(0D)に合わせるとこのように見えます。遠くにあるトトロははっきりと見えるのですが、近くにある本+羊2匹はぼんやりしています。
来週はCO2レーザーを用いた最先端の眼瞼下垂も予定しています。仕上がりが綺麗でとても良い手術だと思うので、後日紹介したいと思います。
先週はジオプターについて書いたので、それに続いて眼内レンズの度数について書きたいと思います。
おさらいしておくとこんな感じで、無限に遠くにピントが会うのは0Dで、本を読んだりするときは大体50センチくらいの所なので、-2Dという度数となります。つまり、手術後にメガネなしで遠くを見たいか、近くを見たいかでレンズの度数が変わってきてしまうのです。
逆に、近く(-2D)に合わせるとこのようになります。さっきとは反対で、遠くにあるトトロはぼんやりしていますが、近くの本+羊2匹ははっきりと見えます